日商簿記3級の仕訳がわからない初心者へ|つまずく原因と覚え方
借方・貸方で止まってしまう方に向けて、仕訳を丸暗記ではなく「取引の動き」から理解する方法を解説します。
日商簿記3級を勉強し始めた初心者が、最初につまずきやすいのが「仕訳」です。テキストを読んでいるときは理解できた気がするのに、実際に問題を解くと「借方と貸方のどちらに書けばいいかわからない」と止まってしまう方は少なくありません。
日商簿記3級は、日本商工会議所が実施する簿記検定の一つです。3級では主に商業簿記が問われ、企業の取引を記録し、決算書作成につなげるための基本的な力が求められます。試験対策では、公式の出題区分表やサンプル問題を確認しながら、現在の出題範囲に合わせて学習することが重要です。
試験全体の内容を先に確認したい方は、 日商簿記3級試験対策ページ もあわせて確認してください。
仕訳でつまずく一番の原因は「暗記だけ」で解こうとすること
仕訳が苦手な人の多くは、勘定科目を丸暗記しようとします。もちろん、現金、売掛金、買掛金、売上、仕入、借入金などの基本的な勘定科目は覚える必要があります。しかし、名前だけを暗記しても、問題文を読んだときにどちら側へ書くのか判断できません。
たとえば、商品を現金で販売した場合、現金が増え、売上が発生します。このように、まずは取引を日本語で分解することが大切です。
初心者は、いきなり借方・貸方に書こうとせず、先に「増えたもの」「減ったもの」「発生したもの」をメモする練習から始めましょう。
借方・貸方は「左右の場所」として覚える
借方・貸方という言葉は、日常生活ではほとんど使いません。そのため、言葉の意味を深く考えすぎると混乱しやすくなります。最初は、借方は左、貸方は右という場所として覚えてください。
次に、資産・負債・純資産・収益・費用の5つに分けて考えます。日商簿記3級では、この5分類を理解することが仕訳の土台になります。
| 分類 | 増えたとき | 減ったとき |
|---|---|---|
| 資産 | 左・借方 | 右・貸方 |
| 費用 | 左・借方 | 右・貸方 |
| 負債 | 右・貸方 | 左・借方 |
| 収益 | 右・貸方 | 左・借方 |
最初に覚えるべきことは、資産と費用が増えたら左、負債・純資産・収益が増えたら右、という基本です。反対に、減った場合は逆側に書きます。このルールを使えば、丸暗記だけに頼らずに仕訳を考えられます。
問題文は「誰が、何を、どうしたか」に分ける
仕訳問題で焦る原因の一つは、問題文を一気に読んでしまうことです。初心者は、問題文を「誰が」「何を」「どうしたか」に分けて読むと理解しやすくなります。
この問題では、まず「商品を仕入れた」ことを確認します。商品を仕入れたので、費用である仕入が増えます。次に「代金は掛け」とあるので、あとで支払う義務として買掛金が増えます。
この場合、費用の増加である仕入は左、負債の増加である買掛金は右に書きます。つまり、仕訳は「借方:仕入」「貸方:買掛金」と整理できます。
このように、問題文を小さく分けるだけで、仕訳の判断はかなり楽になります。
勘定科目はセットで覚えると忘れにくい
勘定科目を一つずつ覚えるより、よく出る取引のセットで覚える方が効率的です。たとえば、現金で商品を売った、掛けで商品を仕入れた、家賃を支払った、借入金を返済した、備品を購入した、という形で取引ごとに覚えます。
初心者が最初に練習したいのは、次のような基本パターンです。
- 現金で商品を販売した
- 商品を掛けで仕入れた
- 売掛金を現金で回収した
- 買掛金を現金で支払った
- 家賃や通信費を現金で支払った
これらの基本パターンを繰り返すと、資産・負債・収益・費用の動きが自然に見えるようになります。難しい問題に進む前に、まずは基本仕訳を正確に解ける状態を作りましょう。
ネット試験では入力形式にも慣れておく
日商簿記3級は、統一試験だけでなくネット試験でも受験できます。ネット試験では、画面上で問題を読み、選択や入力を行う形式に慣れておく必要があります。
紙の問題集で理解できても、画面上で勘定科目や金額を処理すると、思ったより時間がかかることがあります。特に仕訳は、勘定科目の選択や金額入力を正確に行う必要があるため、早めにWEB形式の演習へ慣れておくと安心です。
スマホやパソコンで練習したい方は、 日商簿記3級無料WEB版問題アプリ を活用してください。短い時間でも、仕訳の判断練習を積み重ねられます。
今日からやるべき仕訳練習
仕訳が苦手な方は、今日から次の順番で練習してください。
- 資産・負債・純資産・収益・費用の5分類を確認する
- 基本的な勘定科目を5分類に分ける
- 問題文を「何が増えたか」「何が減ったか」に分解する
- 借方・貸方に書く前に、取引の意味を日本語で説明する
- 10問解いたら、間違えた理由を確認する
印刷して練習したい方は、 日商簿記3級問題PDFダウンロード を使い、10問ずつ解いて復習するのがおすすめです。最初はスピードよりも、取引の意味を説明できることを優先してください。
仕訳は、最初につまずきやすい分野ですが、ルールを分解すれば理解できます。丸暗記だけに頼らず、「何が増えたか」「何が減ったか」を考える習慣を作りましょう。
参照した公式情報
日商簿記3級の記事を作成する際は、日本商工会議所の公式情報を確認することが大切です。出題区分表、サンプル問題、ネット試験案内は、制度変更や出題範囲の確認に役立ちます。
古い教材や古い解説を使う場合は、現在の出題区分表と内容がずれていないか確認してください。
日商簿記3級の仕訳練習を始める方へ
まずは試験の全体像を確認し、そのあと10問ずつ仕訳問題を解いて、間違えた理由を復習していきましょう。

