日商簿記3級で初心者がつまずく5つのポイント|仕訳から決算までの克服法
借方・貸方、勘定科目、転記、決算整理、本番形式の5つに分けて、 どこで理解が止まっているのか確認する方法を解説します。
日商簿記3級を学習していると、 「仕訳までは分かるのに決算になると分からない」 「借方と貸方を毎回迷う」 といった形で、特定の段階から進みにくくなることがあります。
その場合、 簿記全体が分からないと考える必要はありません。 どの工程で理解が止まっているかを分けて確認すると、 復習する範囲を絞ることができます。
試験概要を先に確認したい方は、 日商簿記3級試験対策ページ をご覧ください。
現在の日商簿記3級の試験概要
日本商工会議所が公表している日商簿記3級の試験科目は商業簿記です。
| 試験科目 | 商業簿記 |
|---|---|
| 問題 | 3題以内 |
| 試験時間 | 60分 |
| 合格基準 | 70%以上 |
| 法令等の基準 | 毎年度4月1日現在施行されている法令等に準拠 |
2026年度試験では、 2022年度から適用されている出題区分表が引き続き使用されています。
つまずき① 借方・貸方だけを暗記している
「借方は左、貸方は右」と覚えることは必要ですが、 それだけでは仕訳を判断できません。
先に、 取引に登場する勘定科目が 資産・負債・純資産・収益・費用のどれに属するかを確認します。
減少:貸方
減少:借方
減少:借方
減少等:借方
減少等:貸方
例:商品を現金50,000円で仕入れた
この取引では、 仕入という費用が発生し、 現金という資産が減少します。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 仕入 | 50,000 | 現金 | 50,000 |
仕訳そのものを重点的に復習したい場合は、 日商簿記3級の仕訳がわからない初心者へ|つまずく原因と覚え方 も参考にしてください。
つまずき② 勘定科目の名前だけを覚えている
勘定科目は、 名称だけでなく 「何を表しているか」「どのような取引で使うか」と一緒に確認します。
| 勘定科目 | 分類 | 意味の例 |
|---|---|---|
| 現金 | 資産 | 手元にある現金 |
| 売掛金 | 資産 | 商品を掛けで販売したときなどの未回収代金 |
| 買掛金 | 負債 | 商品を掛けで仕入れたときなどの未払代金 |
| 売上 | 収益 | 商品の販売による収益 |
| 仕入 | 費用 | 販売する商品の仕入れに関する費用 |
例えば「掛け」という言葉だけで 売掛金・買掛金を判断するのではなく、 売った側なのか、仕入れた側なのか まで確認してください。
つまずき③ 仕訳だけで学習を止めている
仕訳は簿記の重要な土台ですが、 簿記では取引を記録した後の流れも学びます。
仕訳問題は解けるのに、 帳簿や決算問題で止まる場合は、 仕訳そのものではなく 「仕訳した内容を次の工程へどうつなぐか」が 理解できていない可能性があります。
工程ごとに確認する
- 仕訳: 取引を勘定科目と借方・貸方に分ける
- 転記: 仕訳した内容を各勘定へ移す
- 集計: 勘定の金額を整理する
- 決算整理: 決算時点で必要な修正仕訳を行う
- 財務諸表: 損益計算書や貸借対照表へつなげる
「簿記全部が苦手」とまとめず、 どの工程までは自力でできるかを確認してください。
つまずき④ 決算整理を一度に覚えようとしている
決算整理では、 減価償却、貸倒引当金、経過勘定など、 複数の論点を扱います。
これらを一度に暗記するのではなく、 1論点ずつ 「決算前の状態 → 必要な修正 → 修正後」 の順で整理します。
| 論点 | 確認する内容 |
|---|---|
| 減価償却 | 固定資産について当期分の減価償却費を計上する処理を確認する |
| 貸倒引当金 | 売掛金などの債権について貸倒見積額を設定する処理を確認する |
| 前払費用 | 翌期に対応する費用を当期の費用から除き、資産として処理する |
| 前受収益 | 翌期に対応する収益を当期の収益から除き、負債として処理する |
| 未払費用 | 当期に対応する未計上の費用を費用・負債として処理する |
つまずき⑤ 時間を意識した総合問題を解いていない
日商簿記3級の試験時間は60分です。
ただし、 「第1問は○分、第2問は○分」といった 公式の時間配分はありません。 問題ごとの得意・不得意によって必要時間も異なります。
そのため学習後半では、 一つの設問だけを解く練習に加えて、 60分という試験時間を意識して複数の問題を解く練習 も行います。
- 問題を解き始めた時刻を記録する
- どの問題で長く止まったかを確認する
- 計算ミス・仕訳ミス・読み違いを分類する
- 時間がかかった論点だけ個別に復習する
つまずいたときの復習手順
- まず問題を解き、どこで止まったかを確認する
- 「仕訳」「勘定科目」「転記」「決算整理」「時間」のどれかに分類する
- 該当する部分だけテキストや解説へ戻る
- 同じ論点の問題をもう一度解く
- 数日後に再度解き、自力で判断できるか確認する
資格ブートキャンプでは、 短い単位で確認したい場合は WEB版問題演習 、 紙に書きながら復習したい場合は PDF教材 を利用できます。
よくある質問
2027年度以降に受験する場合
日本商工会議所は、 2027年度適用の簿記検定試験出題区分表を公表しています。
2026年度に使用している教材を 2027年度以降も利用する場合は、 変更された出題範囲や勘定科目等がないか確認してください。
参照した公式情報
公式情報確認:2026年9月26日。 2026年度と2027年度以降では出題区分表が異なります。 受験前に日本商工会議所の最新情報をご確認ください。
