日商簿記3級|試験直前2週間の勉強法と14日間の仕上げ方【2026年11月】

日商簿記3級 | 第174回(2026年11月15日)直前対策
日商簿記3級、試験まであと2週間。
「落とす問題」から潰す14日間の仕上げ方

新しいテキストは増やしません。今ある誤答を、本番で取れる点に変えます。配点から逆算した目標点、1日ずつの学習内容、WEB演習とPDF教材の使い分けまで具体的にまとめました。

11月2日、月曜日。

テキストは一通り終わった。問題集もそれなりに解いた。

それなのに、第3問の精算表を前にすると手が止まる。

減価償却の月数を数え直して、貸倒引当金で迷って、気づけば時計が40分進んでいる。

この時期にいちばん多いのが、この状態です。

知識が足りないのではありません。「解説を読めば分かる」が「60分で解ける」に変わっていないだけです。

残り14日は、その差を埋めることだけに使います。

結論|残り2週間でやるのは3つだけ
  1. 第1問の仕訳で取りこぼしをなくす(配点の土台)
  2. 決算整理を手で書いて、第3問を最後まで埋め切る
  3. 60分の通し演習を2回やり、止まった場所だけを直す

まず確認|あなたの試験日は本当に11月15日ですか

第174回日商簿記検定(統一試験)は2026年11月15日(日)に1〜3級が実施されます。

ただし、3級の統一試験はすべての商工会議所で行われるわけではありません。

たとえば名古屋商工会議所は1級のみの施行です。大分商工会議所は2026年度から2・3級をネット試験へ移行しており、11月15日の施行は1級だけです(2027年2月の第175回は2・3級を統一試験で施行)。

申込済みの方は、手元の受験票で会場と開始時刻を確認しておきましょう。

ネット試験組は「11月9日〜18日」に注意統一試験の前後には、ネット試験(CBT)の施行休止期間があります。2026年11月は9日(月)〜18日(水)が休止期間で、この間は受験できません。日本商工会議所の2026年度試験日程カレンダーにも、統一試験の前後に休止期間を設けると明記されています。ネット試験で受ける方は、19日以降の受験日から逆算して、この記事のDAY1を置き直してください。

配点から逆算する|70点の取り方を先に決める

公式に定められている条件はシンプルです。日本商工会議所の試験科目・注意事項では、商業簿記・3題以内・60分・70点以上で合格とされています。2026年度も2022年度適用の出題区分表が引き続き適用されます。

出題の中身は、近年ほぼ同じ構成が続いています。受験指導校などが整理している構成は次のとおりです。

大問主な内容配点
第1問仕訳15問(1問3点)45点
第2問補助簿・勘定記入など/語句の穴埋め20点
第3問決算整理後残高試算表・精算表・財務諸表など35点

この構成なら、直前期に狙う点数は先に決められます。

大問直前期の目標点(当サイトの設定例)中身
第1問36点15問中12問正解。迷う3問を落としても36点
第3問28点決算整理を落とさず、8割を埋め切る
第2問10点半分を確実に取る。ここで粘りすぎない
合計74点第2問で10点を確保し、合計74点を目指す設計

第1問と第3問だけでは64点です。第2問の10点まで取って、はじめて70点を超えます。

しかも合格点との差は4点しかありません。本番では計算ミスが1つ2つ出るものなので、演習では80点以上を目標にしておきます。

点の土台は配点の大きい第1問と第3問です。だから、この2週間は仕訳と決算整理に時間の大半を使います。

資格ブートキャンプ独自

WEB演習とPDF教材を「場面」で使い分ける

資格ブートキャンプでは、スマホやPCで解くWEB問題演習と、印刷して紙で解くPDF教材の両方を無料で公開しています。

直前期は、この2つを役割で分けると時間を無駄にしません。

場面使うものねらい
通勤・昼休みなどの10分WEBWEB問題演習勘定科目と借方・貸方の判断を、数をこなして確認する
机に向かえる30分以上PDFPDF教材を印刷手書きで仕訳と計算。途中式を残して、どこで間違えたかを見える化する
まとまった60分本試験形式市販の模擬試験など時間を計って通し演習。金額記入・集計まで含めて仕上げる

WEB演習は四択の判断確認用です。正答率がそのまま本試験の点数になるわけではないので、仕上げは必ず記入・計算形式で行います。

誤答ログを1枚だけ作る

ノートでもスマホのメモでも構いません。間違えた問題を、次の形で1行ずつ書きます。

日付問題失点の種類原因を1行で翌日3日後
11/6減価償却(12月取得)計算12か月分で計算していた。取得月から決算月まで数える○○
11/7前払保険料判断経過分を前払にしていた。「来期の分」が前払×

ルールは1つです。翌日と3日後に、解説を見ずに解き直す。2回とも○になったら卒業。

試験前日に見直すのは、このログで○が揃わなかった行だけです。

11月2日〜15日|14日間スケジュール

1日の学習時間は決めません。時間が取れない日は、その日の最優先を1つだけやります。

どの日も中心は解く → 原因を1行で書く → 翌日解き直すです。

前半 11/2〜11/8|部品を直す週仕訳と決算整理を、1つずつ「手で書ける」状態にする
DAY 1|11/2(月)現在地の確認本試験形式本試験形式を1回分、60分で解く。点数より「どこで止まったか」を誤答ログに書く。
DAY 2|11/3(火・祝)基本仕訳①WEBPDF現金・預金、売掛金・買掛金、商品売買。WEBで判断を確認し、間違えた取引だけPDFで手書きする。
DAY 3|11/4(水)基本仕訳②WEBPDF固定資産、貸倒れ、給料と預り金、消費税、法人税等。誤答ログに出た論点から先にやる。
DAY 4|11/5(木)第2問対策PDF補助簿・勘定記入。「この取引はどの帳簿に載るか」を1枚に書き出す。
DAY 5|11/6(金)決算整理①PDF減価償却・貸倒引当金・売上原価。月割計算は必ず途中式を書く。
DAY 6|11/7(土)決算整理②PDF前払・前受・未払・未収、貯蔵品、消費税の整理。期間は線を引いて図にする。
DAY 7|11/8(日)総合問題①本試験形式精算表か財務諸表を最後まで。決算整理が数字に反映される流れを追う。
後半 11/9〜11/13|通しで直す週60分の中で、取れる点を取り切る練習
DAY 8|11/9(月)60分通し演習①本試験形式時間を計る。解く順番と、各大問にかかった時間をメモする。
DAY 9|11/10(火)弱点修正①通し演習の誤答を4分類し、「判断」「計算」から直す。
DAY 10|11/11(水)総合問題②本試験形式前回と別の形式(精算表⇔財務諸表・決算整理後残高試算表)を解く。
DAY 11|11/12(木)60分通し演習②本試験形式本番と同じ順番・同じ時間配分で解く。見直しの5分を必ず残す。
DAY 12|11/13(金)弱点修正②誤答ログで○が2つ揃っていない行だけを解き直す。
11/14〜11/15|整えて、出し切る
DAY 13|11/14(土)前日新しい問題は解かない。誤答ログの残りを見直し、持ち物と経路を準備して早めに寝る。
DAY 14|11/15(日)試験当日決めておいた順番で解く。止まった問題には印をつけて先へ進む。

途中から読んだ方へ|短縮版

  • 残り7日:通し演習で現在地確認 → 決算整理(2日)→ 総合問題 → 通し演習 → 誤答ログの解き直し → 前日準備
  • 残り3日:通し演習1回 → 誤答ログの解き直し → 前日準備。新しい論点には手を出しません

直前ドリル|第3問で落としやすい4題

どれも難問ではありません。それでも本番で落としやすいのは、数え方と向きを間違えやすいからです。

答えを開く前に、紙に仕訳を書いてみてください。

減価償却(月割)

×1年12月1日に備品360,000円を取得した。定額法・耐用年数6年・残存価額ゼロ・間接法で記帳する。決算日は×2年3月31日。当期の決算整理仕訳は?

答えを見る
借方金額貸方金額
減価償却費20,000備品減価償却累計額20,000

1年分は360,000÷6年=60,000円。使ったのは12月〜3月の4か月なので、60,000×4/12=20,000円です。

よくあるミス:12か月分(60,000円)で計上する/取得月の12月を数え忘れて3か月にする

貸倒引当金(差額補充法)

期末の売掛金残高400,000円に対して2%の貸倒引当金を設定する。決算整理前の貸倒引当金残高は3,000円。決算整理仕訳は?

答えを見る
借方金額貸方金額
貸倒引当金繰入5,000貸倒引当金5,000

設定額は400,000×2%=8,000円。すでに3,000円あるので、足りない5,000円だけを繰り入れます。

よくあるミス:8,000円をそのまま繰り入れる

前払費用

×1年8月1日に、1年分の保険料24,000円を支払い、全額を保険料で処理している。決算日は×2年3月31日。決算整理仕訳は?

答えを見る
借方金額貸方金額
前払保険料8,000保険料8,000

保険期間は×1年8月〜×2年7月。このうち来期の分は4月〜7月の4か月なので、24,000×4/12=8,000円を前払保険料にします。

よくあるミス:経過した8か月分(16,000円)を前払にしてしまう

売上原価(仕入勘定で算定)

期首商品棚卸高30,000円、期末商品棚卸高45,000円。売上原価を仕入勘定で算定する決算整理仕訳は?

答えを見る
借方金額貸方金額
仕入30,000繰越商品30,000
繰越商品45,000仕入45,000

期首の在庫は当期に売れた側(仕入)へ移し、期末の在庫は来期へ残す(繰越商品)と考えると向きを間違えません。

よくあるミス:期首と期末の金額を入れ替える

1題でも迷ったら、そのまま誤答ログに書きます。翌日にもう一度、です。

誤答は4つに分けて直す

「間違えた」で終わらせると、同じ問題で同じように間違えます。原因の種類で、直し方が変わります。

失点の種類具体例直し方
知識不足勘定科目の意味があいまいテキストの該当ページだけ読み、基本仕訳を3回書く
判断ミス前払と未払を取り違える取引日・決算日・対象期間を線で図にしてから仕訳する
計算・転記ミス月数の数え間違い、転記額の誤り途中式を必ず残し、どの行で間違えたかを特定する
時間不足第2問で止まり、第3問が白紙解く順番と「止まったら飛ばす」基準を決め直す

60分の使い方|解く順番は今日決める

当サイトのおすすめは第1問 → 第3問 → 第2問の順です。配点の大きい2つを先に固めます。

順番大問時間の目安
1第1問(仕訳)15分
2第3問(決算)30分
3第2問10分
4見直し5分
合計60分

この時間は公式の配分ではなく、通し演習で自分用に直すための出発点です。DAY8とDAY11の2回で、自分の配分を決めてしまいましょう。

  • 第1問は1問1分ペース。2分止まったら印をつけて次へ
  • 第3問は決算整理仕訳を先に余白へ書き出してから集計する
  • 見直しは「借方・貸方の向き」「桁」「転記漏れ」の3点だけ

前日と当日のチェックリスト

前日(11月14日)

  • □ 受験票で会場・集合時刻・開始時刻を確認(開始時刻は受験地ごとに異なります)
  • □ 本人確認書類を準備。運転免許証・学生証・パスポート・マイナンバーカードなど、原則として氏名・生年月日・顔写真がすべて確認できるもの
  • □ 筆記用具を準備。使えるのはHBまたはBの黒鉛筆、シャープペンシル、消しゴム。予備も入れておく
  • □ 電卓を準備。計算機能だけのものに限られ、印刷・メロディー・プログラム・辞書機能付きは持ち込めません
  • □ 持ち物の細かい指定は受験地の実施要項が最優先。前日に一度目を通す
  • □ 誤答ログで○が揃わなかった行だけ見直す
  • □ 早めに寝る

当日(11月15日)

  • □ 家を出る前に「受験票・本人確認書類・筆記用具・電卓」の4点を確認
  • □ 会場までの移動時間に余裕を持つ
  • □ 問題文の金額・日付・「間接法」などの指示に線を引いてから解く
  • □ 決めておいた順番と時間配分で解く
  • □ 最後の5分は見直しに使う

よくある質問

Q. 直前に新しい問題集を買うべきですか?

買うなら、本試験形式の模擬試験が載ったもの1冊だけにします。テキストを増やすより、今の誤答ログを潰すほうが点数に直結します。

Q. 仕訳は解けるのに、第3問で時間切れになります。

集計の前に、決算整理仕訳をすべて余白へ書き出してください。頭の中で処理しながら集計すると、どこかで1つ漏れます。書き出してから埋めるだけで、止まる回数はかなり減ります。

Q. WEB問題で8割取れたら合格圏ですか?

まだ判断できません。四択は判断の確認には向いていますが、記入・計算の力は測れないからです。本試験形式の60分演習で、70点を安定して超えられるかで判断します。

Q. ネット試験でもこの計画は使えますか?

使えます。ただし2026年11月9日〜18日は施行休止期間で受験できません。受験日から逆算してDAY1を置き直し、画面上で入力するネット試験形式の模擬問題も1回は解いておきましょう。

14日間でできることは、多くありません。

それでも、誤答ログの行が1つずつ○で埋まっていく14日間は、確実に点数に変わります。

今日やるのは、本試験形式を1回分だけ解くこと。そこから始めましょう。

迷う仕訳を、今日のうちに洗い出す

スキマ時間はWEB問題演習で判断を確認し、机に向かえる時間はPDF教材を印刷して手で書く。仕上げは本試験形式の通し演習で行います。

基礎から確認したい方は日商簿記3級の難易度と独学での勉強法もあわせてどうぞ。

参考情報・公式出典

公式情報確認日:2026年11月2日。大問ごとの配点は近年の出題構成として受験指導校などが整理しているものです。目標点・14日間の学習順序・誤答ログ・時間配分は資格ブートキャンプ独自の学習法で、日本商工会議所の公式指導ではありません。